「起業家のクレド」シリーズ、今回は第24回です。
私は毎日、朝6時半の朝礼から始まって、夜遅くまでコンサルやコーチングのセッションをしています。働く日は、夕方の1時間半以外ずっとZoom、ということもあります。
延べで何千人もの方を見てきて、はっきりしている傾向があります。本当にできている人は、「私はできています」と絶対に言わないんです。
- 「できています」と言う人ほど、できていない理由
- 私自身が「できてます」と言って、まわりを凍らせた話
- 「できていないかも」を、成長の力に変える受け止め方
本当にできている人ほど
自分が出来ているとは思わないし、口には絶対ださない。
「最近、できるようになりました」で、空気が固まった

これは、私自身の話です。
以前、「あなたの課題は、さらけ出しですよ」と言われたことがあります。感情や弱さをさらけ出して、みんなを頼ること。それが課題だと。
そのとき私は、「いや、最近はできるようになりましたね」と言ったんです。
その瞬間、まわりが固まりました。そして、チームメイトの彩郁(saya)から「いや、全然できてないから」とツッコミが入ったんです。まわりの人たちも、気を使って言わなかっただけで、同じことを思っていたんでしょうね。
でも自分の中では、できているつもりだったんです。

昔の私は、できているところにばかりフォーカスしていたんです。
ほんの少しマシになった、というレベル
今思えば、さらけ出しはめちゃくちゃ苦手なことでした。昔は表情も固まっていて、甘えるどころか、弱音を吐くなんてありえない。
そんな私が、「最近、こういうのが苦手なんですよね」と一言言えるようになっただけで、「俺はさらけ出せている」と思ってしまったんです。
そのあと、泣きながらみんなの前で話すという経験を、何度も何度も繰り返しました。それで最近ようやく、少しはマシになってきたかなと思っています。
少しマシになった、というレベルです。できているなんて、1mmも思っていません。
「できています」と言いたくなるのは、プライドのステージ

なぜ人は、「できています」と言いたくなるのか。
お金をしっかり稼げるようになってきた人ほど、「プライドのステージ」に入りやすいんです。
自分はできている、何でもできる、他人より優れている。他人と比べて戦闘モードになる。そして、その状態にいる間は、それに気づきにくい。
このステージにいること自体が悪いわけではありません。誰もが通る道です。プライドのステージにいても、大きく稼いでいる人はたくさんいます。
起業家のマナー第11回でもお話しした、「私はできてます」は危険信号、と同じ話です。
つまずいた経験は、寄り添う力になる
私自身、もともとはかなり低いところからのスタートでした。自分を責めて、不安や恐れの中にいた時期があります。
でも、低いところから上がってきた人は、そこにいる人の気持ちが分かる。だから、すごく寄り添えるんです。
私は師匠の大森健巳先生のコミュニティで3年間修行させていただき、たくさん泣いて、たくさん叫んで、壁を一つずつ突破してきました。上がってくるほど、逆に「できています」と言うのが恥ずかしくなっていきます。
👉 先生を追い越したと感じたときこそ、謙虚であれ。共に生きる、共に創る【起業家のマナー⑳】
「できていない」は、自分を責める理由ではない

成長する人は、「自分はできていないかもしれない」と感じられる人です。
ただし、「できていない。だから私はダメなんだ」に行かないでください。「できていない。じゃあ、できるようにしよう」。この感覚です。
第4回でお話しした、建設的な自己否定ですね。悪いのは行動や捉え方、習慣であって、あなたの価値ではありません。捉え方が悪いなら、捉え方を変えればいい。行動が悪いなら、行動を変えればいい。
「人は変わらない」と言う人がいますが、それは人間に対する諦めの感情を持っているだけです。人は、いくらでも変われます。

どのステージにいても、人は変われるし、成長できます。
おわりに ── 迷ったら、フィードバックをもらう

「自分はできている」と思ったときは、危険信号だと思ってください。もしかしたら、お山の大将になっているかもしれません。
素直さが最強です。改善ポイントが見つかれば、いくらでも改善できます。
できているのか、できていないのか迷ったら、先生に聞いてみるのがいちばんです。外からフィードバックをもらうことが、成長への近道です。
繊細な人は、自分の未熟さに人一倍気づける人です。それは弱さではなく、伸び続けられる人の資質です。

「できていないかも」と思える人から、成長していきます。
それではまた、次回のコラムで。
※本コラムは、YouTubeで公開された動画「128.起業家のクレド24」の内容を、読み物として再編集したものです。






