「起業家のマナー」シリーズ、今回は第11回です。ここからは第3章。先生とのコミュニケーションに関するマナーに入っていきます。

私は毎日かなりの数のコンサルティングをしていますが、やはり「困った受講者さん」は一定数いらっしゃいます。

TMCのメンバーさんでは、こういうケースはだいぶ減ってきました。ちゃんと注意するのと、発信に触れてくださっているので、自分で修正していかれるからです。

何が困るのか。それは、本人が気づいていないことです。「私のことだ」と思っていないんですね。

この記事でわかること
  • 「自分は正しい」という思い込みが、会話にエラーを起こす理由
  • 「私はできてます」と言う人ほど、できていない心理的な仕組み
  • プライドのステージを抜けるために必要な、謙虚な姿勢

「ジャスティス・マウンテン」に登っていないか

私たちはよく、「ジャスティス・マウンテン」という話をします。

  • 自分が正しい
  • 自分は間違っていない
  • 自分が正義だ

自分が思っていること、考えていることが常識で、当たり前で、私は間違っていない。そう思って会話を進めると、ものすごくエラーが起きるんです。

誕生日の過ごし方ひとつでも、常識は違う

唐突ですが、あなたは誕生日をどう過ごしていますか。

家族でケーキを食べる。お祝いされるのが当たり前。そう思っている方も多いかもしれません。

でも、私の実家では、誕生日だからといって特別なことは何もしませんでした。ケーキも出てこない。ごく普通の一日です。

だから私にとっては、「別にお祝いしなくてもいいじゃん」という感覚でした。今はお祝いするようになりましたけどね。

ところが、妻からすると、それは非常識中の非常識なんです。誕生日はケーキを囲んで、みんなでお祝いして、プレゼントを渡すもの。

このギャップです。どちらが正しいという話ではありません。

価値観は違っても、話し合えば分かり合える。そのスタンスが大事なんです。

だからこそ、正義の山から降りることが大切になります。

「私はできてます」と言う人ほど、できていない

ジャスティス・マウンテンから降りるのが苦手な方に多いのが、「私はできてます」問題です。

私は毎朝、朝礼をしています。そこでお話しすると、コメントで「私はできてます」と返してくる人がいるんですね。

そして、「私はできてます」と言う人に限って、できていないんです。みなさんも、なんとなく同意していただけるのではないでしょうか。

なぜかというと、「できている」と思いたいだけだからです。自分ができていないことを、どこかで分かっているから反応するんですよね。

本当にできている人にとっては、どうでもいい話です。「あぁ、そうだよね」くらいで終わって、反応しません。

「できてます」は、コンサルを止める悪魔の言葉

コンサルを受けるとき、これは本当に大変なんです。

先生からすると、「できてます」と言われた瞬間に、もうアドバイスができなくなるんです。

「いや、できていないですよ」と伝えると、否定されたと受け取ってしまう。「できてます」と言っている時点でプライドが高いことが分かるので、そこを指摘すると、すねてしまうんです。

すねない人は、そもそも「できてます」と言いません。

だから、「私はできてます」は悪魔の言葉なんです。先生がそれ以上のアドバイスを止めてしまい、いいコンサルティングを受けられなくなる。

マナーとして、「できてます」という態度は取らないこと。

面白いことに、こういう話をすると、コメント欄に「私はこれできてます」と書く人がいるんですよ。「いや、話を聞いていたのかい」と。ちょっとコントみたいですよね。

「こういう人を見ると嫌になりますよね」と書いてくる方もいます。いや、だから、あなたのことですよ、と。

プライドのステージは、誰もが通る道

ただ、ここで安心してほしいことがあります。私は、その人が悪いとは言いません。否定もしません。

お金をしっかり稼げるようになる途中で、多くの人が「プライドのステージ」を通ります。

そして、プライドのステージにいる間は、それに気づきにくい。

では、このステージにいるのはダメなのか。そんなことはありません。むしろ、よくここまで上がってきましたねと言いたいんです。

  • 自分に自信がない
  • 一歩踏み出すのが怖い
  • 何かを成し遂げたいのに、なぜかできない

そんな葛藤を経て、ここまで来たわけですから。本当によく頑張っています。

最後の試練を、越えた先にあるもの

このステージを越えた先に、本物になれる世界があります。

勇気、意欲、受容、愛。そういう世界観で生きていく戦いに入る前に、最後の試練として、自分自身が見えなくなるプライドのステージを必ず通るんです。

修行の道の一環なんですね。

だから私は、その人たちを責めるのではなく、「あともう少しだね。最後の難関だね」という気持ちで見ています。

あと、もう少しなんです。

とはいえ、直接言われたら嫌ですよね。受け入れたくないと思います。だから、こうして発信でお伝えしています。

おわりに ── 1mmでも、直せるところを探す

「私はちゃんとできています」という人は、できていません。

客観的に、冷静に、俯瞰して自分を見る。そして、1mmでもいいから直せるところがあるなら、自分の内面と向き合って前進させる。

その謙虚な姿勢こそが、マナーです。

これは、私自身に向けた言葉でもあります。昔の私は、このステージにバリバリいましたから。「俺はできてる、俺はできてる」と思い込みたかったんです。

今振り返れば、言っている時点でできていなかったと分かります。

繊細な人は、「できていない」と認めることを、自分を否定されることのように感じてしまうかもしれません。でも、できていないと認められる人から、伸びていきます。

謙虚に受け取る。ぜひ、やっていきましょう。

それではまた、次回のコラムで。

※本コラムは、YouTubeで公開された動画「94.起業家のマナー11」の内容を、読み物として再編集したものです。

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