「起業家のクレド」シリーズ、今回は第12回です。
「得をさせてもらっていたら、危機感を感じなさい」。このクレドには、いつもたくさん質問が来ます。
ゼロイチラウンジやTMCでは、私自身が「先に出す」ことを意識しているので、「与えてもらってばかりだな」と感じる方もいるかもしれません。でも、その感覚こそ、大事にしてほしいんです。
- 「得をしたい」という思考が、起業家にとって危険な理由
- 先に与える人ほど、長く稼ぎ続けられる仕組み
- 信用残高を積み上げる、日常の小さな「先出し」
先に出すから、大きく戻ってくる!
得をさせて貰ってたら、危機感を感じなさい!
会社員時代は、出張費で3,000円浮かせることを考えていた

昔の私は、今とは真逆でした。
製薬会社にいた頃は、常に「どっちが得か」を考えていました。出張費が8,400円ほど出ると、5,000円くらいのホテルに泊まって、なんとか3,000円浮かせられないか。そんなことばかり考えていたんです。
あの頃は、奪って、奪って、奪って。そういうところが出てしまっていたと思います。
給料を自分で上げられない会社員、そして消費者としての勝ち方は、いかに自分が得をするかです。私たちには、この消費者の脳みそが染み込んでいます。
でも、起業家としての勝ち方は、消費者の勝ち方とまるで違います。むしろ逆だと思ったほうがいい。損して得取れ、なんです。
稼ぎ続ける人は、与え続ける人

組織心理学者アダム・グラントの『GIVE & TAKE』という本があります。
- ギバー:先に与える人
- テイカー:先に自分の得を考える人
この本では、最も成功するのは、与え続ける「ギバー」だとされています。
テイカーは、一時的には得をします。自分の得を優先しているのだから当然です。でも、信用と信頼を失って、どんどん衰退していく。一時はドンと稼いでも、続かないんです。

稼ぎ続けたいなら、与え続けることです。
👉 「与えられるものがない」は思い込み。起業家は、まず与える人であれ【起業家のマナー⑰】
与えられたら、返したくなる
社会心理学には「返報性の法則」があります。スーパーの試食で先に食べさせてもらうと、ちょっと買わないといけない気がしてきますよね。
あなたが先に誰かに与えていると、「あの人の頼みなら断れない」と、徳が積まれていきます。それは、必ずしもその人から返ってこなくてもいいんです。
エネルギーは、形を変えることはあっても、消えてなくなることはありません。出したものは、巡り巡って返ってくる。逆に、奪えば、誰かに奪われるようになっています。
👉 与えているのに豊かにならない理由。ギバーズ・ゲインと貢献貧乏【起業家のマナー⑩】
全部出すから、見てもらえる

身近な例で考えてみると分かりやすいです。
もし私が大切な情報を隠して、薄っぺらい情報だけを流していたら、みなさんは見ないですよね。私の動画は編集もしていないし、マニアックで、決して一般受けするものではありません。
それでも見てもらえているのは、動画の中で全部出しているからです。ノウハウは何でも教えます。知ったところで、できるようになるのが大変なんですから。
👉 無料相談を渡り歩く人が伸びない理由。自己投資のマナーは「お金を払う」【起業家のマナー④】
こんな人と、一緒にいたいと思いますか
コミュニティの中に、こんな人がいたらどうでしょう。
- みんなのことは考えず、自分の得だけでチーム活動をしない
- 有益な情報は教えてほしいけれど、自分が知っていることはシェアしない
- 食事会では毎回おごってもらうつもりで、割り勘は1円単位
- もらったお金の分までしか働かない
絶対に、協力しようとは思わないですよね。起業初期は、まわりの人と協力していけるかどうかがとても重要です。先に奪う人は、長い目で見て絶対にうまくいきません。
逆に、「いつものお礼に、ここは出させてね」と言える人。全力で仕事をしてくれる人。そういう人には、また仕事を頼みたくなるし、誰かを紹介したくなります。
先に出して、信用残高を積み上げる

先に出す。いっぱい出しておく。そうすると、信用残高、信頼残高が積み上がっていきます。
それが次のビジネスにつながったり、困ったときに助けてもらえたりして、大きくなって返ってくるんです。

出しておくから、大きくなって返ってくるんです。
おわりに ── 「もらいすぎてる」と感じられるか

得をさせてもらって喜んでいるうちは、まだ消費者マインドが勝っています。
私も、消費者の脳みそから経営者の脳みそに変わるまで、3〜4年かかりました。与えることが当たり前になってきてようやく、「これはもらいすぎている、まずいな」と感じるようになったんです。
いきなりは難しいと思います。でも、意識しながら少しずつ、シフトしていきましょう。繊細な人は、相手の小さな親切にもよく気づけるはずです。その気づきを、「次は私が先に出そう」に変えていけば大丈夫です。

得をさせてもらっていたら、危機感を。先に出す側に回りましょう。
それではまた、次回のコラムで。
※本コラムは、YouTubeで公開された動画「116.起業家のクレド12」の内容を、読み物として再編集したものです。






