「起業家のクレド」シリーズ、今回は第22回です。
人からフィードバックをもらうとき、「ダメ出しされたらどうしよう」と身構えていませんか。逆に、伝える側になると、「相手に嫌な思いをさせたくないから言えない」となっていませんか。
フィードバックを攻撃だと捉えてしまうと、伝える側も、受け取る側も、お互いに不幸になります。
- フィードバックが、自分では見えない才能に気づかせてくれる理由
- 受け取りやすさがまったく変わる、伝え方の主語
- 厳しいことも愛として届く、2つの伝え方
フィードバックは「愛」そのもの
伝える時も「愛(I)メッセージ」!
自分のことは、自分では気づけない

「ジョハリの窓」という有名な考え方があります。自分を、4つの窓に分けて見るものです。
- 自分も他人も知っている自分
- 自分は知っているが、他人は知らない自分
- 自分は知らないが、他人は知っている自分
- 自分も他人も知らない自分
私で言えば、身長が184cmあって大きいことは、自分も他人も知っています。
私が薬剤師であることは、私にとっては当たり前ですが、初めて会う人は知りません。「薬剤師なんですか」と驚かれます。
最近、「声がいいですね。等倍速の声が優しくて好きです」と言っていただいたことがあります。私は自分の声がまどろっこしく聞こえて、等倍速で聞くのが苦手なんです。これは、他人は知っているけれど、自分は知らない自分ですね。
誰も知らない窓に、才能が隠れている
そして最後の、自分も他人も知らない窓。これは、他人を通してでしか気づくことができません。
たとえば、なぜか自分と関わった人がやたら成長していく、というようなこと。自分では認識していなかったけれど、他人に反映して見えてくるものです。
この誰も知らない窓に、あなたの才能が隠れていることがあります。だから、フィードバックをもらえるというのは、気づきのヒントをたくさんもらえるということなんです。

フィードバックは、あなたの見えない才能へのヒントです。
「あなたは」で伝えると、反発される

では、伝える側はどうすればいいのか。
「お前が悪いんだ」と言われたらどう思いますか。「いや、そんなことはない」と言いたくなりますよね。
- 「あなた、こう思ってこうやったんでしょ」
- 「君、ここ間違ってるよ」
こう言われると、「違う、誤解だよ」と言いたくなる。これを「Youメッセージ」と言います。主語が「あなた」になっているので、否定されたり攻撃されたりしたように感じてしまうんです。
👉 その発信、ノイズかも。SNSやコミュニティで浮かない発信のマナー【起業家のマナー②】
「私は」で伝えると、受け取れる
そこで、主語を「私」にした「Iメッセージ(愛メッセージ)」に変えます。
- 「私は、ここが間違っているように感じるよ」
- 「私は、あなたのその態度が、人を傷つけているように感じるんです」
受け取り方が、ずいぶん穏やかになりませんか。
「私はこう感じた」と言われると、それはその人が感じたことなので、「あなたはそう感じたんですね。そう思わせてしまったんですね」と受け入れられるんです。

主語を「私」にするだけで、届き方が変わります。
👉 相手は鏡|あの人にイライラするのは、あなたの本音が映っているから【起業家のクレド㉑】
言わないことは、優しさではない

元Googleの方が提唱した考え方に、「破壊的な共感」という言葉があります。
共感しているようで、じつは相手との関係や相手の成長を壊している状態のことです。
目の前の人が成長しようが、恥をかこうが、自分には関係ない。だから話を合わせておこう。これは、共感ではありません。
相手が良くなるのなら、きついことでも伝えてあげたほうがいい。フィードバックは、相手が成長するきっかけです。どんどん伝えてあげてください。
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サンドイッチで、オブラートに包む
もう一つ、届きやすくするテクニックがあります。サンドイッチ法です。
苦い薬をオブラートに包むのと同じで、ポジティブなこと → 指摘 → ポジティブなこと、の順番で伝えます。
- 「さっきの発言、元気があってとても良いと思いました。私も、あんなふうに元気にできたらいいなと思っているんです」
- 「もう少しゆっくり、間を取って話すと、もっと良くなるように感じます」
- 「でも全体的に、とても元気いっぱいで、私はすごく好きでしたよ」
全体的に褒められた感じがしますよね。でも、「抑揚をつけて」という指摘は、ちゃんと真ん中に入っているんです。
おわりに ── フィードバックは、愛そのもの

フィードバックは、愛そのものです。もらうときは、自分の見えない窓へのヒントとして受け取る。伝えるときは、Iメッセージとサンドイッチ法で届ける。
繊細な人ほど、伝えることで相手を傷つけるのが怖くて、言葉を飲み込みがちです。でも、伝え方さえ整えれば、あなたの気づきは、相手にとっての贈り物になります。

フィードバックは、愛です。「私は」で、届けましょう。
それではまた、次回のコラムで。
※本コラムは、YouTubeで公開された動画「126.起業家のクレド22」の内容を、読み物として再編集したものです。






