「起業家のマナー」シリーズ、今回は第14回です。

前回は、「ビジネスはチームスポーツ」というお話をしました。

では、チームで何かをやっていくときに、いちばん大切なものは何でしょうか。

そうです。コミュニケーションですね。人間関係といえば、もうコミュニケーション一択と言ってもいいくらいです。

この記事でわかること
  • 結果を出す人と出さない人を分ける「粘る力」
  • 人と人は、そもそも分かり合えないのが当たり前である理由
  • コミュニケーションがうまくいかないときに、向き合うべき場所

いちばん回ったリールのメッセージ

彩郁(saya)さんと一緒に撮っているリールの中に、めちゃくちゃ再生されたものが一つあります。

そのリールでいちばん伝えているコアメッセージが、「コミュニケーションを諦めない」です。

私たちは、ついつい諦め癖がついています。

人生がうまくいかない人の原因は何か。諦めるからなんです。

優秀な学生は、1分長く粘る

こんな実験結果があるそうです。

東大に受かるような優秀な学生と、そうでない学生の違いを調べた。

絶対に解けないような難しい問題を出したとき、優秀な学生は、ほかの学生に比べて1分ちょっと長く粘ったそうです。

解けないと分かっていても、「何か方法があるんじゃないか」と粘る。

諦めの悪さは、才能なんですよ。

営業の世界の「ワンモア」

営業の世界にも、「ワンモア」という言葉があります。最後に、もう1件。

私は製薬メーカーで営業をしていたので、これはすごく経験があります。

医療機関は、だいたい6時半、遅いところで7時まで診療しています。その終わりかけに、お医者さんのところへ伺って面談させていただくんです。

多くの営業マンは、6時半になった瞬間に「今日はこれで終わり」と帰ります。早い人だと、5時半や6時で訪問を切り上げてしまう。

でも、成果を出す人は7時の訪問に行きます。7時が終わっても、「7時半でも会える先生がいるかもしれない」と、あともう1件行くんです。

日中もそうです。「スケジュールをこう回れば、もう1件いけるんじゃないか」と工夫する。優秀な営業マンは、訪問件数がめちゃくちゃ多いというデータがちゃんと出ていました。

毎日のあと1件が、1年後には大きな差になります。

人と人は、そもそも分かり合えない

とくに人間関係、コミュニケーションにおいて大切な前提があります。

相手と自分は、分かり合えないのが当たり前だということです。

生まれてきた場所も、時間も、環境も違う。生まれたあとの生活環境も全然違う。そんなところで育ってきています。

そもそも、生まれた瞬間から個性があります。

彩郁さんは、生まれた時間によって特性が分かる診断もしていますよね。物事の判断の仕方も、価値基準も、全部違うんです。

全部違う者同士が、最初から分かり合えるわけがありません。

分かり合えないところを、コミュニケーションで埋めていくんです。

「あなたはそういう価値観なんですね」
「私はこういう価値観なんです」
「へえ、そうなんですか」

そうやって埋めていく。

だから、コミュニケーションの量がめちゃくちゃ大事なんです。

「言っても無駄」が、関係を止める

ところが、途中で「こいつはこういうやつだから、言っても無駄だ」と、言わなくなる。つまり、コミュニケーションを諦めるんです。

そうすると、自分の中の価値観やルールで、相手をジャッジするようになります。「あいつはこういうやつだ」と。

そして、だいたいその「こういうやつだ」は間違っています。本人に聞いてみると、「いや、そんなこと全然思っていません」となる。

コミュニケーションって、だいたいそういうものです。

うまくいかない人は、諦めるんです。

うまくいく人はどうか。もともとうまくいかないのが大前提なのだから、うまくいくまでやる。それがコミュニケーションのコツです。

対話から、逃げない

第14回のマナーは、ただ一つ。

みんな、先に諦めるからダメなんですよね。

そして、「いや、相手が先に諦めたから、私も諦めたんです」と言い出す。

でも、相手はコントロールできません。そして、これはあなたの人生です。だから、あなたが諦めない姿勢を貫くしかないんです。

ぶつかるときは、自分の内側を見る

誰かとぶつかるということは、あなたの中に何かがあるということです。

相手は、あなたを映し出している鏡です。目に映るものすべてが、あなたの内側の世界の反映なんです。

相手を変えようとする前に、自分の中の何が反応しているのかを見る。

  • 「なぜ、この言い方にこんなに腹が立つんだろう」
  • 「なぜ、この人の前だと言葉が出てこないんだろう」

そう問いかけてみると、相手の問題だと思っていたものが、じつは自分の中の古い思い込みだったと気づくことがあります。そこに気づけたとき、同じ相手との会話が、驚くほど変わるんです。

だから基本は、自分の内側と向き合い続けながら、コミュニケーションを諦めない。

これはビジネスマナーであり、ビジネスルールであり、成功の法則でもあります。

おわりに ── 最後まで、諦めない

繊細な人ほど、ぶつかることを避けて、先に身を引いてしまいがちです。

「私が我慢すればいい」
「言っても分かってもらえない」と。

でも、その優しさが、じつは対話を終わらせてしまっていることがあります。

分かり合えないのは当たり前。だから、分かり合えるまで言葉を重ねる。

相手の感情に敏感なあなたなら、きっとその橋を架けられます。

絶対に諦めるな、コミュニケーション。これだけは、胸に刻んでおいてください。

それではまた、次回のコラムで。

※本コラムは、YouTubeで公開された動画「97.起業家のマナー14」の内容を、読み物として再編集したものです。

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