「起業家のクレド」シリーズ、今回は第11回です。
今回から第2章「実戦」に入ります。圧倒的な行動と成果を生むための原理原則です。
「和を乱してはいけない」「仲良くしなさい」。職場に入ったら、そう教えられませんでしたか。
私たちは、仲良くすること、気を使うこと、和を乱さないことができる人が素晴らしい、と刷り込まれてきました。
でもそれは、労働者として雇われたときの基準なんです。
- チームが本当に強くなるまでに通る、4つの段階
- ほとんどのチームが「最初の段階」で止まってしまう理由
- 言いたいことを言い合えるチームが、圧倒的な成果を出す理由
ストーミングを完了させる
短く、早く、たくさん。思った事は言わなければならない!
自分を押し殺すのが、勝ちパターンだった

私もサラリーマンの頃は、自分を押し殺して、言われたことを淡々とこなすロボットのような人が出世していくのを見てきました。上司に好かれますからね。
でも、労働者と起業家では、勝ちパターンが逆です。起業家の勝ちパターンは、言うべきことは言う。
この固定観念は、捨ててしまってください。
前回の固定観念の話とも連動しています。クレドは、全部つながっているんです。だから、最初から最後まで繰り返し読んで、何度も戻ってきてください。

和を乱さないことが、正解とは限りません。
チームが育つ4つの段階

チームの成長段階を表した、「タックマンモデル」という考え方があります。
- フォーミング(形成期):集まったばかりで、お互いに気を使う
- ストーミング(混乱期):意見が食い違い、ぶつかる
- ノーミング(統一期):ルールや規範ができ、チームとしてまとまる
- パフォーミング(機能期):一人ひとりが力を発揮し、個人の何倍もの成果が出る
👉 一人でやりたくて起業しても、一人ではいられない。ビジネスはチーム戦【起業家のマナー⑬】
フォーミング(Forming)── 一人のほうが早い、と感じる時期
チームを組んだばかりのフォーミングの時期は、みんな気を遣います。このときのチームのパフォーマンスは、一人でやるときの7割ほどです。
だから、「チームって面倒くさい」「一人でやったほうが早い」と感じるんですね。
仕事ができる人、これまで一人でやってきたプライドがある人ほど、そう勘違いしがちです。
ストーミング(Storming)── ここを早く、たくさん越える

次がストーミング、混乱期です。意見が食い違い、パフォーマンスは3〜5割まで落ちます。
お互いの考えていることが分からない。言い合いになる。言い合いならまだいいんです。厄介なのは、陰でやり出すことです。
- 「あの人、全然分かってないよね」
- 「あいつは放っておこう」
でも、ここで本音を言い合えると、「なるほど、そういう理由でそう考えたのね」「あなたの価値観ではそれが大事なんですね」と、「なるほどね」が生まれてくるんです。
ノーミング(Norming)── 「なるほどね」から、チームのルールが生まれる
「なるほどね」が生まれると、ようやく「じゃあ、こういうルールでやろう」と、チームに規範ができます。これがノーミングです。
お互いの考えや価値観を分かったうえで決めたルールなので、みんなが納得して動けるようになります。
パフォーミング(Performing)── 個人の何倍もの成果が出る
ノーミングを越えると、パフォーミングに入ります。一人ひとりが力を発揮して、個人で出す成果の何倍もの成果が出る段階です。
じつは、その上に「トランスフォーミング」という、チームによってメンバー一人ひとりが覚醒する段階があります。
私はこれまで数々のチームを率いてきましたが、この段階を見たのは一度だけです。TMCの4期で優勝したチームでした。
それまで売上を上げたことがなかった起業家さんたちが、全員、月収20万〜50万円を叩き出しました。年間300万円稼げたらいいなと思って入ってきた方が、月商300万円を超えたんです。

チームには、無限の可能性があるんです。
ほとんどのチームは、最初の段階で終わる

それなのに、多くの人がチームを面倒なものだと感じているのは、なぜか。
世の中のほとんどのチームが、フォーミングで終わっているからです。ストーミングに入りかけても、空気が悪くなるのが嫌で、すぐに戻ってきてしまう。
「余計なことを言ったら空気が悪くなるし、やめておこう」。
違うんです。やりきって、向こう側に行くんです。
言いたいことを言えるようにならないと、パフォーマンスは出ません。
強いチームは「何でも言い合える」
マサチューセッツ工科大学(MIT)の集団的知性の研究では、チームの力を最大化するのは、個人のIQよりも、メンバーが何でも言い合える心理的な安全性だと示されています。
Googleが数千のチームを分析した「プロジェクト・アリストテレス」でも、成功するチームの条件として、心理的安全性が挙げられています。
これは、仲良しこよしという意味ではありません。
「私はプロとしてこう思う」「私はこう思う、あなたはどう?」と、変な遠慮をせず、プロ同士で言い合えるかどうかです。
普段はぶつかってばかりなのに、いざというときは「そこは任せた」と互いの実力を認め合う。そんな関係を、漫画やアニメで見たことがある方も多いと思います。
出てくる感情は、自分の内側の問題

ストーミングでは、余計な感情が出てきます。うっとうしい、悲しい、腹が立つ。
少し衝撃的かもしれませんが、その感情は、あなたの内側の問題です。内側に引っかかっているものが刺激されて、相手に反映しているんです。それを見せてくれているのが、チームメイトです。
感情は、感じきると消化されていきます。コミュニケーションを続けていくうちに、余計なブロックは消えていきます。
そして、意見の違いは、思考の癖や持っている情報量の違いです。これは宝物なんです。
ぶつけ合ってまとめていくと、「この人の役目はこれだ」と、チーム全員が一つのプロジェクトチームになっていきます。
おわりに ── 短く、早く、諦めない

ストーミングが嫌で戻るのは、これまでの職場でやってきたことです。起業家として成果を上げるなら、チームをパフォーミングまで持っていかなければいけません。
ストーミングが長引くと疲れます。だから、短く、早く、たくさん。ちゃんと言いたいことを言う。そして、諦めないことです。
繊細な人ほど、場の空気が乱れるのが怖くて、言葉を飲み込んでしまうかもしれません。
でも、あなたが感じた違和感こそ、チームを前に進める大事な材料です。

思ったことは、言わなければいけません。
それではまた、次回のコラムで。
※本コラムは、YouTubeで公開された動画「115.起業家のクレド11」の内容を、読み物として再編集したものです。






