「起業家のマナー」シリーズ、今回は第18回です。

今回のテーマは、「習っている先生に、全幅の信頼を寄せる」です。

人によっては、これが大変なことかもしれません。
過去に信頼していた人に騙された経験がある方や、人を信頼すること自体に抵抗感がある方もいらっしゃると思います。

とくに起業初期の方には多いです。
私たちの受講生さんにも、ここに詰まりがある方はけっこういらっしゃいます。

そこを解放していくのも私たちの役目なので、マナーとして取り上げるのは少し申し訳ない気持ちもあります。

それでも、やはりマナーに入れておかないといけない。これは原理原則のレベルの話だからです。

この記事でわかること
  • 不信を出せば不信が、信頼を出せば信頼が返ってくる理由
  • 先生を信頼した生徒と、生徒を信頼した先生のあいだで起きること
  • 先生には、隠し事なしで何でも相談していいという話

出したものが、返ってくる

自分が出したエネルギーは、必ず返ってきます。

有名な振り子の実験があります。

振り子を5つ並べて、1つを離してぶつけると、反対側から1つが飛び出して、また1つで返ってくる。

面白いのは、2つを離すと、ちゃんと2つが返ってくることです。4つでやってみると、4つ返ってくる。

不信を出せば、不信が返ってくる

だとしたら、もしあなたが先生を信頼しないまま相談しているなら、先生もあなたのことを信頼できません。

不信という感情を出したら、不信が返ってくる。信頼を入れたら、信頼で返ってきます。

もちろん、その先生がとんでもなく悪い人だったら、信頼したときにボロボロにされる可能性はありますよね。

それは選ぶ時点で、選んではいけない人を選んでしまっているという、別の問題です。

今回は、先生がちゃんとした人、善の心がある人だという前提でお話しします。

だとしたら、あなたが信頼というエネルギーを出さないと、信頼は返ってこないんです。

信頼は、先に出した人のところに返ってきます。

全幅の信頼を寄せてくれた、一番弟子

私のところでも、本当にそうです。

全幅の信頼を寄せてくれているクライアントさんは、分かります。「あ、信頼してくれているな」と。

そうすると私も、その人を信じてパスを出すんです。

私には、一番弟子と呼べる受講生がいます。
TMCの2期生として入ってきて、昨年は一番上のコースを受講し、今はマスターマインド生として認定講師も務めてくれています。

彼は、「貴詞さんから習うんだ」と覚悟を決めてくれている。全幅の信頼を寄せてくれているんです。

だからこそ私も、彼が飛躍するにはどうしたらいいかを本気で考えました。

出版記念講演会を、まるごと任せた

そして、私の出版記念講演会のすべてを、彼に任せたんです。丸投げです。

正直にお話しすると、私自身は、進んで出版記念講演会をやりたかったわけではありません。どちらかというと、腰が重かった。

でも、この講演会を彼が主催することで、彼はめちゃくちゃ成長すると思ったんです。

私たちが主催したり、サポートしまくったりするのではなく、彼が自分で主催する。

しかも、自分の講演会ではなく、私の講演会を主催する。そうすることで一つ上のレベルに行ける、という確信がありました。

ただ、一歩間違えれば、「先生が生徒に自分の講演会をやらせている」という構図になります。

もし彼が被害者意識を持ってしまったり、誰かに愚痴や不平不満をこぼしたりしたら、彼自身の信用やブランドを下げることになる。

それでも、彼なら大丈夫だと信頼していました。信頼を寄せてくれている彼だからこそ、私はこの危うい一手を打てたんです。

信頼してくれる人にだからこそ、大きなパスが出せるんです。

もちろん、講演会では集まってくださった方に全力で価値を届けます。開いてくれた彼には心から感謝しますし、私から貢献できることはないかと考え続けます。

それも、彼がそういうものを先に私に出してくれているからです。

私が生徒の側だったときも、同じだった

これは、私が生徒の側だったときも同じでした。

師匠の大森健巳先生に習い始めた最初の頃、私は先生から学んだことを自分のビジネスにどう生かすか、自分のことばかり考えていました。

そういう時期は、先生の口から私の名前が出ることはありませんでした。

ある時、気づいたんです。
「この先生は本物だ。この先生を世の中に広げることは、世の中への義務でもある。そして先生も、広げてくれる人を求めている」と。

そこから、先生が良くなればいい、周りの人が良くなればいいという純粋な貢献の気持ちで、一生懸命に集客のお手伝いをしました。

すると先生が、みんなの前で私のことを「貴詞さんは、こういう素晴らしいリーダーで」と、褒めて広げてくださったんです。

先生には、何でも相談していい

マナーとしてお伝えしたいのは、先生を信頼して、何でも相談しましょうということです。

「こんなことを言ったら嫌われるかも」「怒られるかも」と、隠しておこうとする。

そうすると先生の側も、「本当はこれを言ってあげたほうがいいけど、言っても聞いてくれないかもしれないな。やめておこう」となってしまいます。

ほかの講座を受けたいときも、相談する

たとえば、今の先生の講座以外に受けたい講座が出てきたとします。

そんなときも、こう相談してみてください。

「先生のところでこういうことを学ばせていただいて、感謝していますし、この点でとても満足しています。そのうえで、こういうスキルも身につけたいと思っていて、この講座に行こうと考えているのですが、どう思われますか」。

本当にあなたのことを思ってくれる先生なら、いいときは「いいじゃん」と背中を押してくれます。

損得勘定を抜きにしてそう返してくれる先生なら、この先もついていく甲斐があると思います。

実際に、あるメンバーさんから、かなり高額な講座を受けようと思っているという相談を受けたことがあります。

私は、すぐにピンときました。「絶対にあり」だと。

その人が向かおうとしている方向と、そのスキルがぴったり合っていたんです。

長く付き合っていれば、その人の状況も分かります。総合的に判断して、「いいじゃん、行っておいで」と送り出しました。

止めたりしませんよ。止めるときは、本当に止まったほうがいいときです。

おわりに ── 隠し事なしで、相談する

信頼して、隠し事なしで相談していく。これは受講のマナーです。

繊細な人ほど、「迷惑をかけたくない」「嫌われたくない」と、本音を飲み込んでしまいがちです。

でも、あなたが心を開いたぶんだけ、先生も心を開いて、本当に必要な言葉を渡してくれます。

信頼は先出し。そして、信頼は返ってくる。ぜひ、意識してみてください。

それではまた、次回のコラムで。

※本コラムは、YouTubeで公開された動画「101.起業家のマナー18」の内容を、読み物として再編集したものです。

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